Vol5 玉木亭の日々礼賛5 2010.7

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 ごあいさつ
待ちに待った夏が来ました。
夏に生まれたせいか一年の中で一番好きな季節です。
玉木では夏の美味しい物が全国より届いております。
旬の食材、献立、こだわり、そして玉木の秘密等お知らせいたします。皆様の心を元気に出来るような料理を創りたいと願っております。
 
 
 旬の食材
 
 鮎
みなさまも待ち望んだ鮎のシーズンです。
玉木では岐阜県長良川で育った鮎を送っていただきます。
天然の鮎には香魚の名もあるように、とてもいい香りがします。
岩についた藻を食べて育った証です。
少し小ぶりの若鮎を炭火で塩焼きにして、中骨を抜きます。
ヘーゼルナッツ、シェリービネガー等で作ったソースでフィーヌゼルブ(*1)を添えてお出ししております。
初夏の香りをお楽しみください。

 鮑
夏のおいしい物として鮑が好まれます。
玉木では房総半島、大原産の真高鮑を好んで使います。
たくさんの海草を食べて大きく育ったもので殻は高く盛り上がったものが上等です。
飴色になるまで蒸し上げ、コライユ(*2)のソースとともにお出しします。

 とうもろこしのムース
季節ごとに色々なムースを作りますがとうもろこしが美味しくなってまいりました。
とうもろこしは、たくさんの陽を浴びて黄金色に輝いているものを使います。
皮をむき一度蒸しあげてからほぐし、たっぷりのバターでじっくりと香ばしくソテー(*3)していくととうもりこしの甘さが際立ってきます。
裏ごしを通して生クリームと合わせます。
冷たく冷やしたコンソメジュレと一緒にお召し上がりください。

(*1)香草、エストラゴン、パセリ、セルフィーユ、シブレットのみじん切り
(*2)魚貝類の肝
(*3)フランス語で揺り動かすという意味
  厚手の鍋で材料が焦げないように動かしながら炒める事

全国より届きます、玉木夏の味覚を是非ご賞味ください。
 
 
 スタッフの話

私は元来、身体が硬くて朝などすぐには動けません。
朝起きるとお風呂に入り、身体をほぐしてストレッチをします。
料理人の仕事は一日中立ち仕事の肉体労働です。
自然と自分の身体と向き合うようになります。
それでも足が攣るという目覚まし時計によって朝起こされる事が時々あります。
 
 
 日々徒然

日々使う道具の中でも包丁は料理人にとってとても大切なものです。
玉木では、片刃の和包丁、両刃の洋包丁を使い分けております。
魚を料理するにはやはり片刃の和包丁が身を崩すことなくきれいにおろす事が出来ます。
お肉を料理するには両刃の洋包丁が真っすぐに包丁が入りお肉のスジや骨をはずすのにもとても具合がいいです。
毎日毎日何十年も使っていると自分の手に馴染んだ大切な道具となります。
昔は料理人の事を包丁人と呼んだそうです。
包丁も料理人も日々、少しずつ育つものです。
手入れは欠かせない仕事の一つです。