Vol3 玉木亭の美味礼讃3 2009.12

burimel  ごあいさつ

今年も、あますところ一ヶ月足らずとなりました。
玉木では冬の味覚が全国より届いております。
旬の食材、献立、こだわり、そして、玉木の秘密などをお知らせいたします。
皆様の心をあたたかく出来るような料理を創りたいと願っております。
 
 
 旬の食材

 寒鰤
日に日に寒さに向かう頃、日本海に大時化がやってくると、富山湾では南下してくる越中鰤が始まります。
この「ブリおこし」、氷見の寒鰤は、脂もたっぷりのり、十㎏以上の魚がもっとも上等です。
玉木ではシャンパンでマリネした後、炭火でふっくらと焼き上げます。
味をふくませた大根を添えて、シャンパンのソースで仕上げます。
玉木風鰤大根をおたのしみください。

 越前蟹
金沢近江町市場より、十一月七日に解禁の浜ゆでにした越前蟹を送っていただきます。
常々、蟹の中で一番上等だと思っております。
蟹の身を丁寧にほぐし、カクテル仕立てといたします。
バジルとビネガー、野菜の香りで召し上がり頂きます。

 的矢牡蠣
冬の味覚といえば、生牡蠣の美味しい季節です。
玉木では的矢の佐藤さんより送っていただきます。
佐藤さんの所では、プランクトンの豊富な志摩半島の的矢湾で育てた牡蠣を、紫外線で殺菌した海水で清浄浄化したものを出荷してくれます。
とても新鮮で安全な牡蠣を、一つつ丁寧に殻からはずしお出しいたします。
生牡蠣、炭火焼、カキフライなどで召し上がっていただきます。
牡蠣はタウリンが多くまれ、成人病予防に良いと言われています。
全国より届きます、玉木冬の味覚を是非ご賞味ください。
 
 
 スタッフの話

私は、日々こまめに糠床に手を入れて問いかけ、色、固さ、香りの変化によって糠を足したり、塩を入れたり、野菜の量を変えたり、時には鷹の爪や昆布を入れてご機嫌を伺っています。
季節によって、漬ける野菜を変え、たまには遊んでみたりもします。
この糠床を玉木の財産として 残していきたいと考えております。
玉木では、ご飯、お味噌汁、糠漬をご希望のお客様にお出ししておりますので、ご予約時に、お気軽にお申し付けください。
 
 
 こだわり

玉木ではオープンキッチンと炭火焼による、和とフレンチの融合をテーマに内装を考えました。
年月とともにテイストを深める天然素材にこだわり、多く取り入れました。
炭火焼に使う焼台は、笠間の寺本守先生にこしらえていただきました。
中に砂を入れ、その上に灰を入れて、銅のベルトを巻き上手に出来上がりました。
お肉、お魚も炭火で焼くとふっくらと焼きあがります。炭火も大切な調味料と考えております。
 
 
 玉木の秘密

玉木のワインセラーは入り口左につくりました。
棚を檜で作り、床下には炭を敷いています。
温度は13度に冷蔵し、湿度は檜と炭で70%に調整しております。
フランスワインを中心にイタリア、アメリカ、そして日本のワインも揃えております。
私はワインを好んで飲みますが、とりわけシャンパーニュには目がありません。
玉木の料理は特にシャンパーニュと相性が良いと思われるのは、そのあたりかもしれません。
 
 
 日々徒然

少し前、「下天の城」という映画を見て、木造建築のすばらしさに感動しました。
早々に、以前読んだ西岡常一さんの著書「木のいのち、木のこころ」を読み返しました。
まるで宝物のような言葉がちりばめられていました。
千三百年前に建てられた世界最古の木造建築法隆寺には、飛鳥人の残してくれた壮大な魂と誇りを感じました。
そして、自身のことだけを考えるのではなく、国の未来や、国土の命を守るという使命感。
大切な事を教えられたように思います。