Vol4 玉木亭の美味礼賛4 2010.5

samon
hamaguri
 ごあいさつ

春が来た!
待ちに待った春が来ました。
玉木では春の味覚が海、山から届いております。
旬の食材、献立、こだわり、そして、玉木の秘密などをお知らせいたします。
皆様の心をやさしく出来るような料理を創りたいと願っております。
 
 
 旬の食材

 鱒
春に最初に旬を迎える桜鱒に始まり、いろいろな鱒を好んで料理します。
山女が海に下った桜鱒は淡く繊細ながらも、しっかりと脂ものりとても深い味わいです。
炭火焼、ムニエル、シャンパン蒸しなどでも美味しいですが玉木では三枚におろし、塩、砂糖、オイル、香草と共にマリネにして藁で燻製にします。
藁は少しとがった煙なので鱒の旨みを最大限に引き出してくれます。
グレープフルーツ、フィーヌゼルブ(*1)、ケッパーなどで作ったソースと、とてもよく合います。
少し温かな燻製をお楽しみください。
 
 蛤
春が来ると貝類が沢山出てきます。
とりわけ蛤がとても美味しくなります。
蛤は日本を代表する二枚貝で、殻は対になっている殻以外とは合わないので
夫婦和合の象徴として古くから日本人に愛されてきました。
玉木では春の香りふきのとうを合わせナージュ(*2)仕立てにしたりコショウともよく合いますのでムニエル、フライ、にんにくのピュレで焼蛤にしたりしてお出ししています。

 ブランケット・ド・ヴォー
玉木ではいろいろな煮込み料理をしますが春に合った仔牛のブランケット(*3)を作ってみました。
春野菜をたっぷりと入れて煮込みます。
本来は小麦粉を使って作りますが、なるべく軽く仕上げるため使わずに野菜だけのつなぎで作りました。
トロトロの仔牛肉と春の野菜の軽やかな一品となりました。
 
(*1)生のパセリ・エストラゴン・セルフィーユ・シブレットを細かく刻んだもの
(*2)ブイヨンの中で魚介類や甲殻類を調理すること
(*3)白身の肉を煮込んで小麦粉や生クリームで白く仕上げる料理の事

全国より届きます、玉木春の味覚を是非ご賞味ください。
 
 
 スタッフの話

私はいつも髪を短くカットしていますが、サイドは青くならないギリギリの長さの3㎜と決めています。
トップは夏と冬で少し長さを変えています。
私の髪は短くすると全て立ち上がってしまうのですがそれでも夏はボーズにならないギリギリの長さと職人さんへ注文をします。
とても伸びるのが早く、そのため最低でも一カ月に一度は床屋さんに行っています。
ちょっとしたこだわりですが、仕事でも持ち続けている事が大切だとおもっています。
 
 
 日々徒然

先日、香道の先生が来店して下さいました。
その時にうかがった話で、正倉院の国宝、蘭奢待の事を話して下さいました。
長さ156cm、重さ11.0㎏の香道最高の春木だそうです。
なかでも三人の天下人が削ったそうです。
初めに、足利義正、織田信長、明治天皇の名が記されております。
しかし、その他にも削ったあとが大部分あるそうです。
この三人の天下人の他に蔵の扉を3度開けさせたのが徳川家康と聞きました。
何とも家康らしいと思います。